3. 母の疑惑

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 そんな……。父と母が離婚するなんて嫌だ。あんなに家族仲良かったのに、ここに来てから悪いことばかりだ……。  ひそひそ鬼の声はそのあとすぐに止んだが、私は不安で、不安で、しばらく眠れなかった。  翌日は日曜日だったが、父と母はスーツに着替えて朝から出かけて行った。 祖母に、「お父さん達はどこに行ったの?」と聞いたが、「さてね」と教えてくれない。  弟は少年野球でいないし、つまらなくて国道沿いの商業施設の二階にある本屋へ行った。そこは本屋のほかにゲームセンターとフードコートがあり、土日は家族連れや若い人で賑わっていた。端っこの空き店舗のスペースにはベンチが置かれ、お金がない中高生の溜まり場になっている。  本屋に行くためにその空きスペースの横を通ると、梢ちゃんや島田さん達がいるのに気づいた。 (いやだなあ……)  ぼっちなのを見られるのが、恥ずかしかった。気づかれませんようにと祈りながら足早に歩く。  ちらっと見ると、梢ちゃんがベンチに一人で座り、島田さん達四人の女子が梢ちゃんの前に立ちはだかっている感じがした。なんだか変だ。
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