つま先

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つま先

 私は人に好かれる成分でできていない。皮膚はどこの空気とも合わないし、声はいつだって震えて人を不快にする。記憶の風景はつま先ばかり。人生最後の日、私にきっと懐古はない。私は人生のどこにも、戻りたくない。
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