晴れた空と、桜並木

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晴れた空と、桜並木

「綺麗だな、桜」 「本当だね。――きっと、亜優も見てると思うよ」  咲き乱れる桜の木の下で、俺は見上げた。 「だね」  桜が嫌いだった。――あの日も風景にも桜があって、最悪のことが起こった。  もう見たくない。二度と、見たくないけどそうすると亜優が悲しむだろう。だから、俺は背筋を伸ばして青空の下を歩む。  それが亜優の願いだったから。  これは桜と、切ない恋の話。
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