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――「付き合って!くださいっ」
思いが溢れまくって、「ッ」と「!」がいくつもセリフの中に散りばめた元気いっぱいの告白をしてくれた可愛い女子に、あいつはボソッとその場で返答したんだ。
――「俺、遠距離とか無理だから。この町を出るからさ、君とは付き合えない」
「遠距離、無理って!ムリって言ってた!」
私は全員に配られていたピンク色のスイートピーの一輪花束で、圭太の胸を叩いた。
「それは!」
「もういいの。腐れ縁だったのよ。腐れ縁が腐っちゃったの! もう、私達も卒業なんだよ」
よく分からない理屈だと、我ながら呆れるけれど、でもこれでいいと思う。
男女の友情なんて存在しないと何かで読んだから。
「だから、バイバイ、圭太」
私は圭太に背を向けた。
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