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第一話
「君は私のものだよ。どこへ逃げようとも……」
毎晩繰り返される夢。
誰かは分からない、男の声。
逃げても絡み付いてくる男の気配に、鼓動が早くなり、目が覚める。
時計を見ると深夜2時。
「また、この夢か」
ここ最近同じ夢をみるせいで、一条真琴は寝不足が続いていた。二度寝しようと思うも、またあの男の声が聞こえてきそうで、寝ることを諦め、リビングに向かう。
「またあの夢?」
まだ仕事で起きていた母親のひかり心配そうに聞いてきた。
「うん」
「一度京一君に診てもらった方がいいんじゃない?」
「そうだね。明日学校半日だから帰りに病院に行ってくるよ」
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