14人が本棚に入れています
本棚に追加
おじいちゃんが亡くなって、作業場ががらんと広くなったように感じた。
お父さんも寂しいんじゃないのかな?
そんなことを真剣に菓子を作る父親のことを見て思っていた。
そしていつからか、父は変な歌を歌いながら菓子を作るようになっていた。
なんだか作業場が明るくなった気がした。
それなのに出来る菓子は相変わらず繊細だった。
「お父さん、私も将来、職人さんになる。」
それは自然に芽生えた夢だったと思う。
「そうか。」
その時の満面の笑みの父の顔は忘れられない。
最初のコメントを投稿しよう!