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ダイニングの壁向こうから音が聞こえるので、横の通路から覗いたらそこにいた。
「もうできるから待ってろ」
そこはキッチンで、部長はフライパンからお皿に料理を移している。
「なにか手伝います」
「そうか?
じゃあ、もうパンが焼けるからそこの皿にのせて持っていってくれ」
「はい」
彼が視線を向けた先にはトースターがあり、お皿も準備してあった。
すぐにチン!と音が鳴り、中に入っていたバケットを皿に移す。
そのあいだに部長は料理をダイニングに運んでいた。
「おまたせしました」
「わるいな」
私がダイニングテーブルにお皿を置くのを見計らったかのように、コーヒーを注いだマグカップを置いて部長が座る。
「じゃあ、食べようか」
「はい」
ふたり、向かいあって朝食を取る。
具だくさんのオープンオムレツと添えられた野菜、あとはベーコンと白菜のスープとバケット。
どれも味がよく、部長は料理上手らしい。
それにしても。
黙々と食べながら目の前に座る部長をちらり。
彼とふたりでこうやって朝ごはんを食べているなんて、なんか不思議な気分だ。
食後、なんか気まずくて速攻で帰ろうと思ったのに、部長がお代わりのコーヒーを入れてくれるので仕方なく留まる。
「それで、昨日の話なんだけどな」
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