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いい考えな気がして、そろりとベッドから下りる。
「もう起きたのか」
落ちていた下着に手を伸ばしたところで声をかけられ、びくりと大きく身体が震えた。
「えっ、あっ、……はい」
まさか逃げようしていたなんて気づかれるのが怖くて、振り返れない。
「身体、大丈夫か」
「あ、はい。
……平気、です」
背後で、部長がベッドから出た気配がする。
そろりと指先で下着を引き寄せ、素早く穿いた。
「なら、いいが。
シャワー、浴びてこい?
着替えはあとでなんか持っていってやるから、とりあえずこれ着とけ」
眼鏡をかけ、黒のボクサーパンツを穿いた部長が、私に向かって落ちていたワイシャツを投げる。
「お言葉に甘えて、そうさせてもらいます」
そのシャツを拾って羽織り、昨日借りた浴室へと向かった。
昨晩と同じく浴室でシャワーを浴びながら、昨日一日を思い出す。
昨日は、姉の結婚式で、そして……。
姉の結婚式は祝福するかのように青空だった。
結婚式前、控え室では準備の済んだ姉と、花婿の裕司さんが談笑していた。
私に気づき、姉が微笑みかけてくる。
「明日美」
「お姉ちゃん、裕司さん、結婚、おめでとう」
「ありがとう、明日美」
ふわりと空気に融けるように、姉が笑う。
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