歩実

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歩実 5歳 「ひっく…ひっく…」 「歩実、どうしたんだ?」 「パパ…あのね…幼稚園で皆とお外で遊ぼうとしたらね…歩実、何もしてないのに仲間はずれにされたの…」 「あら歩実、どうしたの?」 「今日、幼稚園で仲間はずれにされたらしい。」 「歩実。そんな人たちのことなんてね、何も気にしなくていいのよ。」 「そうだぞ歩実。そんな子たちなんてな、友達でもなんでもないぞ。歩実は無理なんてしなくていいんだ。1人でだって、絵を描いたり絵本を読んだり、先生とお話したりすればいいんだ。」 「そうよ。歩実はとってもいい子なんだから。」 「歩実…いい子?」 「勿論だ。だって、歩実はその子たちに何もしていないんだろ?」 「うん。歩実、今日初めて、遊ぼって喋っただけ…」 「なら、もう幼稚園で無理して遊ばなくていいぞ。もしお外で遊びたいなら、これからは3人で遊ぼうじゃないか。」 「そうしましょう。今度の日曜日、サンドイッチを作って、3人でひまわり公園に行きましょ。」 「サンドイッチ!サンドイッチ!」 「おいおい、日曜日だと言ってるじゃないか。」 「もう、歩実ったら。」 「えへへ。」 優しい笑顔に囲まれて 頭をゆっくり撫でられる。 私には この温もりがあれば十分だった。 私を ありのままで見てくれる 2人さえいれば。
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