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ラーメン惑星
ラーメン同好会の会長と副会長、私と小田は、ついにラーメン惑星を発見した。
「おい。苦節七年。とうとうラーメン惑星にたどり着いたぞ」
小田も感激して言う。
「そうです。地球を立ってから遠路はるばる。宇宙のどこかにきっとラーメン惑星はある。そう信じてやってきた甲斐がありました」
「よし。着陸だ。よさそうなところを探してくれ」
「ラジャー」
大地は麺。海はスープ。海にはところどころ巨大な渦巻きや島がある。ナルトの渦巻きと、チャーシュー&メンマの島だ。
宇宙船は地上から二キロの高度で、着陸場所を探索する。
「会長」小田が泣き顔で言った。「着陸できそうなところが見当たりません。麺の大地ではぐずぐずで宇宙船が傾いてしまうし、スープの海は着水機能が付いていないこの船では降り立てません。チャーシュー、メンマの島では宇宙船の重みで沈んでしまうでしょう」
「ううむ」私はうなった。「なんとしてでも着陸しなくては。着陸さえすれば、なにせこの星自体ラーメン、食って食って食いまくれるのだ」
宇宙船はラーメン惑星の上空をさ迷った。どこか場所はないものか。数時間探索していると、海岸線に沿って砂浜が続いているのを見つけた。
私は叫んだ。
「あの砂浜ならいけるだろう。足場は少し不安定かもしれないが、なんとか降りれるはずだ」
「はい。やってみる価値はあります。手をこまねいていてもしょうがない。それでは本船、ラーメン惑星の砂浜に着陸します」
ゆっくり、慎重に、私と小田は宇宙船を操縦した。
近づく砂浜。最も安定していそうな場所に、宇宙船を降下させる。
着地。
小田が言った。
「着陸成功。本船、安定しております。よ、よし、これでラーメン食い放題だ」
私も叫ぶ。
「箸とレンゲを忘れるな。この星全部を食いつくす勢いで、食って食って食いまくってやるぞ」
二人はハッチから砂浜に飛び降りた。
念願の成就。ラーメン同好会会長・副会長の名にかけて、腹が裂けるまで食い尽くしてやる。
と、小田が突然くしゃみを連発し出した。
「ハックション。ハークション。ハックション。会長、も、もしかすると。ハークション。ど、どうやらこの砂浜は」
「ハックション。ハークション。そ、そうらしいな」
私は鼻水を垂らしながら言った。
「この砂浜、コショウだ」
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