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怖いんだ。
人を好きになっても、裏切られるんじゃないか。
もしかしたら、平坂さんがまだどこかで監視してるんじゃないかって。
あのハガキの一件から、私は父に、もう2度と平坂さんと関わりたくないと訴え、父とは絶縁状態になっている。
そのおかげか、平坂さんからもあのハガキだけで連絡はない。
でも怖い。
私の中に植え付けられた猜疑心は、なかなか拭うことが出来ないでいた。
「あー!疲れた」
私の隣に高見さんが戻って来た。
「間宮さん、俺がいなくなって寂しかった?」
笑いながら高見さんは冗談を言う。
そうだよ。
冗談だよ。
間に受けちゃダメだ。
「お戻り早かったですね」
「え?もうお開きだよ」
私はスマホの時計を見た。
高見さんが席を外して、1時間以上経ってたんだ。
何人かと会話は楽しんだけど、頭にほとんど残ってなかった。
それから後片付けをして、お花見は解散になった。
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