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御堂くんは大人気だし取り巻きとか親衛隊とかいるから、私はいつも遠くで見ているだけだけど。
でも今年も同じクラスになれてとても嬉しかったんだ。
「お前美術部なの?」
「あ、うん」
「一人?」
「うん。入ったときは三年生の先輩がいたけど、卒業しちゃってからは私一人なの」
一年生の時はね、三年生の先輩が五人も所属していたんだ。新入部員は私だけで。二年になって部活紹介も頑張ってしたけど、結局誰も入らなかったんだよね。
「ちょっと待て。お前二年なのか?」
「そうだけど」
「俺と一緒かよ」
御堂くんの言葉に私は目を丸くする。
だって、だって……。
「えっと、一緒だし、……去年も今年も同じクラスなんですけど」
「へえ、そりゃ気付かなかったな」
ガーンという効果音はこういう時に使うんだと思う。
頭の片隅に残る綺麗な思い出が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちていった。
それはもう、見事なまでに。
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