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ふとリノアを思い出す。
まだまだ粗削りな彼女が、自分が居なくなった後無茶をしていないだろうかと気になる。
もう少し側で見てやりたかったが、まぁ自分がいなくても簡単にやられることはない程度に成長した。
「ま、勝手に契約を解除したから怒り狂ってるだろうけどな」
ぼそりと呟いて肩をすくめる。
「何か仰いましたか?」
「いや、何でもない。それより訓練に行く。ついてこい」
「はっ」
踵を返し、男の方を向いたときには感情がまるで読み取れない表情になっている。
人界では気が緩んでいた。
しかし、ここに戻ったからには引き締めねばならない。
リノアのことを思い出し、気にしている暇など最早ないのだ――。
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