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「まさか……あんなに大きな奴が暴れているところに正確に突いたって言うのか?」
「いや、さっきも言ったけどたまたまよ。気付かないうちに妖樹の捕捉範囲に踏み入れちゃってて。慌てて反撃したのが偶然当たったって感じね」
馬鹿正直にぶった切ったなんてことを言ってもさすがに信じてはもらえないし、そんなことができるなんてと目立ってしまう。
ここはあえて、実際はそんな実力はないんだけど運が良かったんで、ということにしておくのが吉だろう。
呆気に取られていたおじさんだったが、突然大声で笑い始めた。
「ハッハッハ!あんた、一体どれだけ運が良いんだい?あいつに狙われて生きていただけじゃなくてシュプレーナを根こそぎ取っちまうだなんて」
どうやら半分真実、半分嘘のリノアの言い分を信じたらしい。
「全部買う、と言いたいところだけどやっぱりそれを見せてくれないことには何とも返事が出来ん。こっちの部屋ん中なら誰にも取られんだろ。入りな」
おじさんはすぐ近くの小屋を指す。
どうやらおじさんの商品の在庫を管理している場所らしい。
リノアは素直におじさんについて小屋に入った。
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