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小屋の中には小さな机と椅子が2脚。
リノアとおじさんはそれに座って向かい合った。
「さて早速だがシュプレーナを出してくれ」
リノアはその前に、と取り決めをしておくことを提案した。
「お互いのため、きちんと確認しながらにしましょ。私は一つずつシュプレーナを出す。そしてその時同時に水晶化を解くわ。おじさんはそれを確認して品質と数を確かめる。後で文句をつけるのはナシよ」
「ほう、随分と慎重だな。だが、いいだろう」
そしてリノアは提案通り一つずつセットからシュプレーナを取り出しておじさんに手渡していく。
この時、当然ウォルナーがおじさんの行動を監視していた。万が一なにか怪しい動きをした場合は問答無用で取り押さえるつもりで。
だが、30個すべての確認を特に問題もなく終えるのだった。
「品質も問題ない。むしろ実も大きくて状態も良い。1個銀貨1枚で買い取ろう」
「銀貨1枚?!」
先ほど見たおじさんの屋台に並ぶその他の果物は、よく食卓に並ぶような種類の物ばかりだった。
それらの値段が1カゴで1銅貨。対してシュプレーナは1個で1銀貨。
いくらシュプレーナが高価とは言え、これは高すぎではないのか。
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