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序章
ここは妖精族が統べる国、リールエアー。
人族の所業を忌避した妖精族が作ったこの世界は、自然にあふれ魔獣や聖獣なども多く暮らしている。
自然の摂理における食物連鎖等は存在するが、自らの豊かさを求めて殺める者は基本ない。
もちろん、全く存在しないとは言えないが。
そんな国のとある屋敷に、レントはいた。
リノア・アーデンと言う人族との契約を終え、自宅に戻って来たのだ。
「レント様、そろそろお父君から正式な命がくだるかと」
「そうか」
庭に面した窓辺で、外を眺めていたレントに話しかけるのは、人界にまでやってきていた男。レントのお目付け役とでもいうべき者だ。
リノアとの契約を解除してから早1ヶ月ほどが過ぎただろうか。
レントは自宅へ戻り、リノアからあちらの世界に喚ばれる前の生活を続けていた。
それももうしばらくのこと。
この男の言うとおりであれば、もうすぐ新たな試練を受けねばならない。
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