序章

1/2
前へ
/1220ページ
次へ

序章

ここは妖精族が統べる国、リールエアー。 人族の所業を忌避した妖精族が作ったこの世界は、自然にあふれ魔獣や聖獣なども多く暮らしている。 自然の摂理における食物連鎖等は存在するが、自らの豊かさを求めて殺める者は基本ない。 もちろん、全く存在しないとは言えないが。 そんな国のとある屋敷に、レントはいた。 リノア・アーデンと言う人族との契約を終え、自宅に戻って来たのだ。 「レント様、そろそろお父君から正式な命がくだるかと」 「そうか」 庭に面した窓辺で、外を眺めていたレントに話しかけるのは、人界にまでやってきていた男。レントのお目付け役とでもいうべき者だ。 リノアとの契約を解除してから早1ヶ月ほどが過ぎただろうか。 レントは自宅へ戻り、リノアからあちらの世界に喚ばれる前の生活を続けていた。 それももうしばらくのこと。 この男の言うとおりであれば、もうすぐ新たな試練を受けねばならない。
/1220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

433人が本棚に入れています
本棚に追加