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現実③
俺は瞼を上げる。
木目調の天井が見える。
最近、よく似た同じような夢を見ている気がする。
思い出そうとするが、脳に靄がかかったように判然としない。
枕には、最近気になってきた抜け毛が数本と、涙で濡れた水たまりのような跡があった。
会社につくと、デスクの上に二つの封筒が開いてあった。
貼りつけられた付箋に、
「先日は申し訳ございません。お時間を取らせて申し訳ございませんが受理していただけると助かります。 下井」
と書いてある退職願と、ワープロで無機質につづられた懲戒免職を告げる封筒だった。
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