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 俺の部屋で、凪葵の望み通り注文したピザを食べながら、アニメの配信を見ていた。  だけど、全く内容が頭に入ってこない。  さきほどの凪葵が女子とキスをしていた光景が頭から離れないのだ。  俺とキスするよりも長くしていた気がする。  女子とする方がやっぱり気持ちいいからか。  自分でも気づかないうちに、ため息が漏れていた。  そのせいで、隣にいた凪葵が俺の顔を覗き込んでくる。   「何かあった?」  おまえが言うか!  と、思わず突っ込みたくなったが 「別に……」  あえてそう言ったら、凪葵はあっさり引き下がる。 「なら、いいけど」  そして、アニメが流れている画面に視線を戻した。  その態度が気に食わなかった。 「なんで……」 「ごめん。聞こえなかった」  再び、凪葵が俺の方に視線を戻した。 「女子と……キス、したんだよ」  本当は聞くつもりなかったのに。  でも、気になって集中できない。  凪葵の顔は怖くて見られなかった。 「あー、さっきの? キスしたいって言われたから」 「言われたら誰にでもするのかよ! 俺と付き合ってるのに」  平然としてる凪葵に怒りをぶちまければ、あいつは小首を傾げて少し考えているようだった。  そして、ゆっくり口を開く。 「俺たちは、お試しで付き合ってるんだよね?」  凪葵の言葉に、自分の頬が熱くなる。  本気で付き合っていると思っていたのは自分だけで、凪葵はそんなこと少しも考えていない。  わかっていたけど。
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