ろうそくを抱えて

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✽✽✽ 「何これ……」  あたしが飼っている、インコのピーちゃん。  カゴの前に、手紙のようなものが置かれていた。  ピーちゃんが、こんなものを書けるはずがない。  でも、どうして……?  家族でこんな筆跡の人は居ないし……。 「ナニコレ?」  ピーちゃんがあたしを真似る。 あたしの悩み、本当に全部知っているのかな?  途端、何故床に透明な何かが零れ落ちる。  嗚呼、これは雫じゃない。  ただの、ただの汗だから……っ。  誤魔化しなんて、今更効かないけど。  「ソラ! ソラ!」    「空?」 あたしは汗(仮)を拭いながら、空を見上げる。  どす黒い曇り空の中に、一筋の光が天から輝いていた。  それはまるで……地球の灯火、のようだった。               おしまい
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