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一度身体を起こし、部屋においてある薬壺を手に取る。中身は獣の膏をつかった塗り薬だ。やはり羞恥心はないらしく、足を広げたまま、獣の行動をじっと見つめて話を聞いている。
主の目は、まるで罠にかかった兎の処理の仕方を教えたときと何も変わらない目だ。
指に膏をたっぷりと取り、尻の中へと中指を一本潜り込ませていく。
『ぅ……』
嫌だろう。いつも彼が男達に殺されるような陵辱をされた後に掻き出す時もこうして指を入れる。主が知っているのはそういう意味の行為だ。
『ここに、俺の――男のアレ、挿れたいから…ほぐす。柔らかくする』
『ぅ…なる…の?』
『なる』
レギオン自身が身をもって知っているということは言わなかったが。ゆっくりと指を深く差し込み、浅く抜き差しして様子を見る。
異物感があるのだろう、拒否こそしないが喜びはしない。
そこで、繋いでいた手を離してそちらにも膏をすくい取った。
『ここ、ヌルヌルで、グチャグチャにする。キモチイイ』
膏でぬめる手で主の柔らかい性器を、にちゅ…と捏ねてみた。
『んっ…く……』
腰がふるえたのが、初めて見た性的な快楽への反応だ。そのまま小振りな肉竿を軽い力で握って上下に扱き、気を散らしながら蕾の中を擽り咲かせるように解していく。少しだけ、主が快楽を身体であることを確認できたことに喜んでいる自分がいると頭の醒めた部分が自分自身を観察する。
『変――』
『キモチイイ、これが、交尾のキモチイイ』
『もう……交尾、して…いるの?』
『そうだ、言ってくれ。キモチイイ、って』
は……と主が吐息を震わせながら獣の中で性器を固く張り詰めさせている。ぬちぬちと音を立てて、部屋の中に響かせる。外にいる奴らは眠っているだろうか。聞こえていてもかまわない、聞かせてやろうと思っていた。
『ん………キモチ…イイ…』
愚かなまでに素直な主の唇を我慢できずに奪いながら二本めの指を、熱い肉管の中へさしこんだ。
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