Ⅳ.五人の生贄(R18,R18G)

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『……あ?』  主が寝台に肘をついて上体を起こし、掬い上げるように獣の唇に唇を重ねた。  初めて自分からしたキスはレギオンと鼻先がぶつかって、うまく行かないと首を傾げている。もう一度繰り返されたキスも、まるで母親が赤子にするような触れるだけのキスで、到底大人がまぐわいの時にするような情熱のある口付けには及ばない。 『は………』  しかし、主のその行為にレギオンは息を吐いて表情を緩めた。 「呪いの王の血で、俺も、仲間も皆死んで……棄てられた死体の山から一人だけ生き返って、アンタの気配を追いかけてこの森を何年も這いずり回ってよ」  再び主の身体を寝台に寝かせ、背を丸めて彼の首筋に顔を埋めながら自分自身に言い聞かせるようにつぶやく。 「何度も死にながらようやくたどり着いたアンタは――俺に水とボロボロの短剣をくれたよな」  主の足を抱え直して、未だに昂ぶったままのペニスを、小さな尻の窄まりへ ぐぷ と押し込む。 『ッ……う…』 「俺が気が済むまでアンタは俺に刺されて、終いには剣も折れて」  肉穴の中は膏でぬめるものの雄の楔が進むには手狭で、馴染ませるために動きを止める度にじれったさに背中に虫が這うような感覚が湧き上がる。 『(おれ)…は――』  絡み合った(つる)のようなしなやかな足が、レギオンの腰に回って、ぎゅうとしがみつく。無意識だろうに、それが愛おしく思えて、冷えたはずの頭が再び燃えるように熱くなった。 『貴方を(おれ)に縛り付けている』  ずっ、ぐぷっと少しずつ性器を主の腹の中へ収めさせる。肉襞が中でひくついてきゅっと締め付けてくる。  レギオンが振り返り呟いた言葉は、主に半分程度しか伝わっていない筈だが、それでも応えるように主が紡いだ言葉に胸がチクリと痛む。獣は主の憂い否定するために再び唇を重ねた。
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