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一人食べた肉の量が多かったからなのか、或いは何か別の要因があったのか。最初に異変に見舞われた。
体中が焼けるような痛みを伴い、萎びていった。身体に力が入らずに床に崩れ落ちる。
「か、はっ……てめ…ら…」
まるでその手足も顔も、何十年も生きた老人のように朽ちていく。
「ああ、やっとはじまったか。しかしこの様子だとまた失敗じゃあねえか」
口の中で硬いものが当たったと思ってなんとか吐き出すと、それは自分の歯だった。
他の子供達も悲鳴を上げて斃れ始める。
「うぁ……あ…あ゙…!」
腹這いになって彼らのもとに近寄ろうとすると、髪がごっそりと抜け落ちた。前にのばした手はもはや骨と皮。
恐慌状態の子供たちが彼をみて悲鳴を上げてドアを叩く。
しかしやがて――。
一人は頭が異様に膨らんで弾け。
一人は腹を破って植物が生え。
一人はひとりでに肉という肉が裂け裏返り。
一人は肋骨が扉のように胸を裂いて左右に開き。
だれも動かなくなった。
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