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顔を上げたオルメロスが赤い瞳を細めて頭を抱えた。
「考え直せイオ」
「あははー……もう出しちゃったからさあ」
「……ッ……冒涜だ…それにこれでは…お前も」
膝の上にオルメロスが置いた報告書の要点は掻い摘むと次のような内容だった。
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イオギオス=ガラニスは瘴気の森で不慣れさから本体から徐々に遅れてしまい、殿を務めたオルメロス=アンディーノと共に森の中で迷ってしまった。
そこで一体の魔物に遭遇しこれを排除。イオギオスはその場に待機し、オルメロスは周囲の見回りにそばを離れた。
その場で地面に座り休息を取っていると後ろから口を塞がれ引き倒された。視界が悪く、相手は複数人でイオギオスの手足をおさえつけ防具を外し数発殴打や蹴りを加え着衣を剥ぎ取り暴行を加えようとした。
イオギオスは盗賊の類と判断し光の魔法で目を眩ませ、炎の魔法で三名を無力化したところ、彼らははぐれた調査班の本隊の面々であった。
更にそこに本隊の背後から魔族と思われる存在が一体現れ交戦。奮戦虚しく隊員八名が殺害される。そこにオルメロスが戻り魔族を撃退。亡くなった班員から遺髪を回収し埋葬、森の中を迷う途中で茫然自失状態の隊員を発見し共に詰所へ帰還した。
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「首謀者が誰だかわからないけど従わされてる感じでした、とでも言っておくよ」
頭が痛くなってきたよと目を瞑るイオ。メロスが体調を案じると枕に頭を沈めて呟いた。
「あんなのを見たせいかな。自分が酷い目に遭う夢をみる……」
メロスが目を瞬かせて、それから幼馴染の頭を撫でた。
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