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「……なんで俺には確認してないのに店の撮影許可は取ってるんだよ、っくしゅ」
椅子に座らせられて、完全に諦めの境地になった俺の左右に善弥と八尋はまだ立っていた。
「今日、本当は定休日です」
「なにそれめちゃくちゃ申し訳ない……」
「近くに安い理容室が出来てな、苦戦してるっていうから。オレ達の影響力はともかくとして、ちょっとだけでも宣伝のために動画撮るかーって」
「だったら俺じゃなくて……ん?」
「なに?」
「もしかしなくてもこれって、お前らもそう?」
「そう。全部ここです」
「でも密着撮影は真咲だけです」
「は?」
「オレ、美容師さんとのトーク好きだから」
「僕もそうだからゆっくり過ごしたくて」
「俺を差し出したと」
「そうです」
「お前髪伸び放題だったし、誰よりビフォーアフター分かりやすいしな」
「騙されてよかったってなるから」
「いや、それは違うと思う」
騙しやがって、と最初は思っていたけれど。
思った以上に仕上がりが良くていう事がなくなった。
それをみてニヤニヤしている男達には絶対に言ってやらないが。
一人でこっそりまた来ようと思った。
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