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最後の思い出
「最後の思い出を作ろう」
あなたのその言葉を、私はいとも簡単に受け入れてしまった。
どうしてなのかわからないけれど、私の体は急激に熱くなり、それを望んだ。
「絶対に後悔させない。今夜だけは俺に全てを委ねて」
甘く囁くようなセリフに心臓が音を立てる。
「でも、ちょっと……怖い」
「大丈夫。何も考えずに……さあ、おいで」
その瞬間、うっすら潤いを帯びた唇が私の呼吸を止めた。
慌てて鼻で息をする。
ただ唇を塞がれただけなのに、失神しそうな程に私の体はぐらついた。
最高級ホテルの一室。
高層階からの夜景が広がる大きな窓。
美しく輝く遥か下の世界を楽しむ余裕なんて今の私には無いけれど、その光景が無性に私の情欲を煽った。
ワンピースの後ろのファスナーをゆっくりと下ろし、あなたは、あらわになった背中に優しく唇を押し当てた。
「綺麗だ」
そう言って、優しく舌を這わせる行為に、私は漏れ出す声を我慢することができず、羞恥心より先に口元からはしたない声を吐き出していた。
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