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なんてことだ!3回目
一年は早いもので、季節は秋を終えようとしていた頃だった。
高校は違うけれど、たびたびふたりで会って話すことはあった。
遊びに行ったりとかも。
でも学校に行くと、いつもやる気がおきなくて、どこか心に穴が空いてしまったような感じがして。
あ、でもそーゆー感情を表に出すことはないから。
「かーなでー。」
中学校からの友達で、高校でも仲良しな夏希が私の机のところにやってきた。
「今日ねー、弟がまた私のプリン食べてきてさぁ。」
「それ何回目なの?(笑)」
いつものように笑い話をしていると、突然夏希がなにか思い出したように「あっ!」っと声を出した。
「そういえば!二戸部くんて、引っ越すんだってね!」
「えっ!?」
「奏、知らなかったの??、なんか、この間二戸部くんのお母さんとうちの母が話してるの聞いてね、今度引っ越すんだって言ってたよ?」
「なにそれ、全然知らない……。」
びっくりして戸惑う私に夏希はため息を軽くついた。
「ほんとかどーか、私もわかんないからさ、確認してきなよ。」
夏希は私の肩をポンと叩いたあと、荷物をもって立ち上がった。
「わたし、部活あるからさ、お先っ!」
そういって手を触ってくれる夏希に勇気をもらった。
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