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なんてことだ!2回目
そのまま月日は経ってゆき、受験シーズンの2月、3月が訪れた。
特に3月は光のような速さで過ぎていった。
受験が終わったと思ったら、卒業。
結局あの日からたびたび文樹に勉強を教えるようになって、私はケーキ禁止の危機を回避することができた。
卒業式のあとのみんなとの別れ、みたいな時間のとき
「あっという間だったなぁ…。」
もう、それしか頭に浮かんでこない。卒業した実感が卒業式を終えた今でもわかない。
「……奏。」
はっと私は振り向き、その顔をみて思い出した。
甲子園っっ!!!!
私が吹奏楽部つづけたのってそれのためだったよね!?
「ねぇ、文樹、あんた、どこ高校だったっけ??」
「…?……理玖だけど?」
わたし、、高校違うよ、え!!私気づかなかったの!?
情けなさと悔しさで両手で顔を覆って下を向く。
そんな私をみてなにを思ったのか知らないけど、文樹が口をひらいた。
「いや、甲子園の話、奏が美空高校行くって聞いたときに言おうかなとも思ったけど、、、なんか、奏の人生俺のせいで変えたくなかったし…。」
え!?そーゆーことなの!?
びっくりして顔を上げた。
「それで、、ちょっと話あるんだけど」
………。
「う、うん……。」
え、これ話じゃないの?
訳の分からないまま文樹についていった。
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