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「すごい! すごいよ、翔くん! もし私が居なくなってもさ、『ここ』に」
私は、自分の胸を手のひらで叩いてみせる。
「ん?」
「翔くんの『ここ』に、先生と話した事、仕舞っといて。
もう翔くんは大丈夫!」
「うん、わかった」
私がしたのと同じように、翔は自分の胸を拳で叩く。
「はい、先生の補習授業は終わり! もう行かなきゃ!」
「ほ、しゅう? って?」
「ん? 普通の授業とは別の、大事な授業……かな。
さ、通学団のみんな待ってるよ。急いで!」
「うん! リコーダー理貴に渡しとくね! そんで今日、一緒に遊ぼうって誘う!」
「いいね! お願いね!」
「翠先生、さようなら」
「うん、翔くん、さようなら」
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