最後の授業

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子ども達から一括(ひとくく)りに『先生』と呼ばれる私達だが、いろいろ役割が分かれている。 『担任』 これは誰もが知る説明不要な存在。 私、『真中(まなか) (みどり)』は『非常勤講師』 担任が宿題チェックや教材研究等諸々のデスクワークをする空き時間を与える為に、そのクラスの決まった教科を受け持つのが私の仕事。 このクラス以外、他の学年の複数の教科担当も担っている。 それは主要教科以外の、『音楽』『図画工作』『書写』『家庭科』『社会』など多岐にわたる。 そしてその年度により、何を任されるのかも分からない。 そして『特別支援教育支援員』  隣の教室から駆け付けてくれた『小嶋(こじま)』が、この立場だ。 特別支援教室のサポートが主な仕事だが、昨今、通常のクラスにも学習面、情緒面で支援を必要とする子どもが増えている。 そんな場合に臨機応変に対応してくれるのが『支援員』だ。 こういう場合、できれば担任を呼びたくはない。 トラブル処理に担任を呼んでしまえば、私が教科担当をして彼らの空き時間を作っている意味がなくなるからだ。 それほどに、担任はこなすべき仕事が多いのだ。
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