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愚妹がまた変な夢の世界に旅立った(挿絵あり)
妹「お姉ちゃん!?やっと繋がった!!」
スマホをとると妹のけたたましい声が聞こえてきた。
妹「お姉ちゃん助けてぇ!」
姉『は?無理。今忙しい····何かがやがやしてんだけどハンズフリーにしてんの』
妹の声の後ろから大勢の男女の声が聞こえてきた。
話を聞けばまた夢の中で聖女として異世界に飛ばされたらしいのだが、異世界に来て一週間、パーティー会場に連れていかれて悪役令嬢に「聖女としての証明をしてみなさい」と、煽られたらしい。
スマホを出して姉と繋がったから周りは騒然としているとの事らしい。
姉『それで証明されたんだろ?じゃあ、さっさと夢から醒めて帰ってきな』
妹「無理だよぉ~!王子様と婚約しちゃったもん」
脳内花畑か。
姉『じゃあ死亡届出しとくからそっちでお幸せに』
妹「それだけはやめてぇええぇ!!」
と、言うよりも妹の実体はイビキかいて寝ております。
妹「お姉ちゃんもこっち来てよぉ!」
どうやって?
妹「前みたいに寝たらこっちに来るんじゃないの!?」
姉『無理。今忙しい』
妹「····そう言えばさっきから騒音が聞こえるんだけど工事現場かどこかにいるの?」
姉『私も異世界に飛ばされてんだよ』
妹「何処に?」
姉『某ゲーム会社の人気サバイバルホラーに似た世界·····シャアァァァ!ヘッドショット!!』
『oh!niceplay!!』
姉『𝑇ℎ𝑎𝑛𝑘 𝑦𝑜𝑢!!Catherine!』
妹「キャサリンって誰ぇぇぇ!?」
姉の相棒です。
姉『げぇ!!すげぇグロい化け物来た!!あぁ!マイケルが食われた!!撃て撃てGOGOー!!!』
妹「お姉ちゃん!?大丈夫?!お姉ちゃぁああぁん!!?」
今忙しいから後でLIN○送ると言って電話が切れた。
-----ツーッツーッと、静かな会場内に通話が切れた音が聞こえる。
「だ、大丈夫なのか?」
ここの国の王子が妹に恐る恐る聞く。
彼女の姉が何かとんでもないものと戦っていると言う事だけ分かったようだ。
妹が泣きそうな顔をしていて流石の悪役令嬢も気まずそうにして目を逸らしていた。
-----ピロン
姉から画像付きのLIN○が届いた。
妹「お姉ちゃん!!」
急いでLIN○を開くとそこには
妹「······················」
倒した化け物の上に乗ったミリタリー姿の姉とそのチームのメンバーが映し出されていた。
実はうちの姉は最強なのかもしれない。
そしてそれを見た王子が姉に一目惚れするまでがデフォだった。
意地でも帰る事を心に決めた。
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姉「よく夢から目が覚めたな」
妹「お姉ちゃんこそ」
このまま死亡届出されてたまるか
姉「私、あの後別の夢見たのよ」
とりあえず魔王と結婚して敵の国を滅ぼしたとの事。
姉「じわじわ暴力で攻撃するくらいなら一気に畳み掛けて勇者が強くなる前に魔王が極大魔法仕掛けた方が早いっていったら求婚された」
やはりうちの姉は最強かもしれない。
終
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