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理想と現実
妹「異世界トリップ又は転生をしたい」
姉「宿題やれ」
初めは妹の夏休みの宿題を見ていた事からその話題が始まった。
私、23歳ファミレス勤務。趣味:ゲーム
妹、17歳花のJK。趣味:夢小説
異世界トリップしたいとかアホな現実逃避を始めたからとりあえず目の前の#現実__宿題__#を終わらせてから妄想に耽れと言う。
妹「お姉ちゃんだって推しの世界に行ってみたいとか思わないわけ!?魔法とか使って戦うとかカッコイイじゃん!」
一般人がもし異世界に行けたとしても所詮村人Aで終わるのが現実だろ。
そもそも害虫以外で殺生した事ない現代日本人がギルド入って武器と魔法使ってモンスター狩るとか簡単に出来ると思うな。
血の匂いが苦手な現代人舐めんな。
妹「チート能力とかあるじゃん!」
いきなりそんなチートキャラで無双して何が楽しいんだ?強くてニューゲームするくらいならハードモードでナイフのみでゾンビと戦え。銃使うな。そして食われろ。
「せめてノーマルモードにしてよ」と愚妹に言われるが武器と魔法で戦う勇者やりたいならそれこそ神にもらったスキルに頼らず己の力で成り上がれ。
姉「特にお前は村人Aで充分」
妹が異世界に行ったら詰みゲーもいい所だろう。
どうせ舞台は中世ヨーロッパに似た世界だろ?
ネズミや害虫蔓延してる世界だろ?感染症になって床に伏せて数日でジ・エンドになるのがオチだ。
姉「聖女として召喚されるかもしれないじゃん」
それで街を救ってそこの国のイケメン王太子とご結婚と言うなんとまぁ在り来りな薄い妄想を脳内お花畑の我が愚妹はウットリしております。
姉「お前が例え聖女として召喚されたとしても相手も選ぶ権利あるから」
プロポーションバッチリ美人淑女のハイスペックな聖女様ならそりゃ嫁の貰い手として申し分ないだろう。
身長145cmのぺったんこ胸の超童顔のお前を選ぶ王太子なんてぺドフェリア以外の何者でもない。この場合はアナスティーマフィリアか?
まぁ、どちらでもいい。
逆に選ばれたとしてそこの王太子がまともだと思うな。
周りが美男美女の集まりの貴族だぞ。
そこにちんちくりんのお前を投入してみろ。
初めはもの珍さで珍獣扱いされた後、手を出すかも知れないが直ぐに飽きられて別の女の元に行くに決まってるだろう。
妹「さっきからお姉ちゃん酷い!」
姉「現実逃避して宿題しないからだ!」
そもそもだ。
淑女教育も受けていない、政治の事も皆無のお前が仮に、一千万分の一の確率で王太子の嫁になったとしよう。
「パンが無ければお菓子を食べれば良いじゃない?」
と、言うかの有名なマリーアントワネットもびっくり仰天な反乱が起きるだろう。
妹「しっかりその国の事も分かってる貴族令嬢憑依だったら?」
姉「お前、他人の人生上塗りして嬉しいか?」
他人の身体で風呂に入って介護の如く親しくもない侍女に体の隅々まで洗ってもらって他人の身体で排泄して他人の身体で夫とセクロスできるか?
妹「·········」
姉「見慣れもしない他人の身体のう〇こだぞ?」
トイレットペーパーもない世界で木の棒でケツ拭くんだぞ。
そしてなぜ故異世界トリップから憑依の話にシフトチェンジした。
妹「て···転生で過去の記憶もち····」
過去の記憶思い出した瞬間にスマホと家電が恋しくなるわ。
ポケットコイルマットレスと羽根布団四次元ポケットから取り出せよ。
姉「···ネコ型ロボットがいる世界ならいいんじゃね?」
妹「冒険どこ行った?」
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「って言うのを妹と話してたんだけどさぁ」
居酒屋で友人とその話をしていたらファンタジーの夢くらい見させてやれよと言われた。
「ところで妹ちゃんの夏休みの宿題どうなったの?」
「やってない」
妹は今日も元気に妄想しているのであった。
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