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 その日の夕方、サミュエルとパーシスは小さな宿場町に到着した。今夜はこの町で宿をとるのだ。  二人が宿屋の食堂で夕食をとっていると、遠く離れた都の噂話が自然と耳に入ってきた。 「聞いた話しだが、都はかなり景気がいいようだ」 「新しい橋を作る計画もあるらしい」 「貨幣も新しくするらしいな」  すると、ふんと鼻を鳴らす者がいた。都からやって来た商人だと言う。 「ずっと前から国の財政はカツカツだ。新しい国王になったからって、急に財政状態が良くなるはずがない」  周りの者達が、その男のほうを見る。 「景気が良いって話は嘘か?」 「嘘ではないが、それだけじゃダメだ。前の王の時からのいろんな問題も全然解決していない」  これを聞いた者達は、顔をしかめた。 「せっかく新しい王になったのに」 「皇太子を追放して、問題は解決したんじゃなかったのか」  ここでサミュエルとパーシスは席を立った。
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