ヒヨコ・ニワトリ・サギ・カッコウ・オナガ・ガン……そして青い鳥

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◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「ゆーくん、オムライスおいしい?」 「うん、おいしい」  無邪気にオムライスを食べる息子は、そのオムレツが、たくさんの卵を破壊(つぶ)して作られていることに無頓着だ。 「ゆーくん、お口、ふきふきしましょうねー」 「んー」  わたしはゆーくんの口を拭き、この子に関われることの幸せに浸る。口の周りを血のような赤いケチャップまみれにしても、わたしは何度も、この子のケチャップを拭きとって、この身が尽きるまで何度も手を汚すのだろう。  ここからさきは、永遠につづくイタチごっこだ。  それでもいい。  わたしはこの子の前途が、明るい未来であることを望む。  どうか「生まれてはいけない人間」だったのだと、己を否定することのないように。  そして、願わくは、わたしがこの子の将来のになりませんように。  何者でもなかったわたしを母親として産んでくれて、なにも知らなかったわたしに、幸せを教えてくれた青い鳥(ゆーくん)自身が幸多(さちおお)からんことを、わたしは願ってやまないのです。 【了】 8ccd56b4-b292-474c-abe7-a9f0c4df2e3b
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