15人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
「浩輝は相変わらずだなあ。仕事してんの?」
建人くんがなかなか鋭いところを突く。
「してるよ、柚葉を養えるぐらいには。」
「でも私も働いてる。相変わらず入力してるよ。
ていうか、たった8か月しか経ってないから建人くんも変わってないよ。」
和やかに話して飲んで喋って。
最新の曲は知らなくてヒヤヒヤしたけど、歌もたくさん歌った。
「これからどうするの?」
「『こっち』に来たのは久しぶりだから明日は色々買い物して…。明後日帰るんだったっけ?」
浩輝が頷いた。
「えー、もう?
また会える?」
「そうだな……たぶん。」
浩輝が右手の人差し指と中指で唇に触れながら答える。
「うーん。でも柚葉が幸せそうでよかった。
帰ってきたらまた絶対連絡ちょうだいよ?」
「もちろん。」
そうして大きく手を振りながら私たちは別れた。
最初のコメントを投稿しよう!