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「えっ、あなた誰ですか!?」
一瞬で覚醒した私は、すぐに警察を呼ぼうと枕元に置いてあったスマホを手に取ろうとする。だが、その前に遠山さんに押し倒され、彼の手で口を塞がれてしまった。
「静かに。あなたにはしばらくの間、私を匿ってもらいます」
気付かぬうちに不法侵入をした男を住まわせるなど、冗談じゃない。私は必死に首を横に振って出て行くように言ったのだが、遠山さんはニコニコと笑いながら私の部屋着を捲り上げてきた。
「な、何するんですか!!やめてください!!」
「……あなた二十五歳でしょう?もう少し色気のある下着、付けたらどうです?」
遠山さんはそう言いながら、自分のスマホで下着姿の私の写真を撮った。そして、家に匿わせてくれないならこの写真をネット上にばら撒きますよと脅され、泣く泣く遠山さんを匿うことになったのだ。彼の犯罪行為を知ったのは、もう少し後だったけど。
自身の手で人を殺害したのはもちろん、憎い相手を殺したいと考えている人に近付き、報酬と引き換えに数々の犯罪を手引きしているそうだ。普通に街中を歩いていれば、イケメンで優しそうな犯罪とは無縁の人に見えるんだけど。
「あなた、食生活が酷すぎます。毎日カップラーメンかコンビニなんて、生活習慣病最短コースを走っているようなものです。匿わせてもらう以上、あなたの生活はきっちり管理しますので」
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