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あなたはきれい
「ねぇ、わたし 綺麗?」
その人は私の目を真っすぐに見ながらいった。
ゴクリ
唾を飲み込む。
あぁ、ついにこのときか。
持っていたノートに力が入る。汗がにじむ。
だから、この時間ここにくるのが嫌だったんだ。
相手を見て、それから下を向く。
(キーン)
普段なら幸せになる音も、今は悪魔の手招きに聞こえる。
ドッドッドッ
しんぞうの音が大きく聞こえる。
大丈夫、だいじょうぶ。
「き、綺麗だと思います、、」
私は、蚊の鳴くような声で答える。
「これでも、、」
相手は、マスクを取りながら、、、ではなくつけながら、私が持っていたノートを取った。
そして相手が持っていたノートと交換して渡してくる。
「これでも頑張ったんだからね‼︎」
渡されたノートには私であろう女の子が描かれていた。
美術の授業による疲れは、この絵と相手、、、いや親友の笑顔と褒め言葉で、癒されていくのだった。
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