さいごの一服

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 式も無事に終わり、慌ただしく新居である宮崎へ飛んだ二人であったが、新生活がスタートして10日がたったいまも、本数こそ大きく減少したものの、結局、“今日で最後にしよう、今日で最後にしよう”を毎日くりかえし、いまだ完全禁煙にはいたっていない。  相変わらず、ダラダラとタバコを吸い続ける彩佳を見て、達也はあきらめムードだ。  「特に急ぐものでもないし、自分のペースでいいと思うよ。」  彼の優しさに、すっかり甘えてしまった彩佳は、1日5本程度まで減らしていたものの、しばらくのあいだの“下げ止まり”状態を経て、こともあろうか、やがて増加に転じてしまった。今は1日20本程度を吸っている。彩佳のタバコが本当に“最後の一服”になるのは、まだまだ先のことのようである。
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