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ちょうど2週間前に井上三咲と会った時のことを里穂に伝えると、この2週間の私と真はどうなっているのかと、再びお肉を口元に運んだ里穂が聞いてから、パクッと慌てて口の中へ入れてモグモグする。
「特にどうってことないよ?ネオに言わせると、私が鈍感過ぎない?ってことだけど…」
「ネオさんに相談した?」
「最初の送ってもらった日があるでしょ?そのあと、たまに連絡があるだけ。でも何かあれば、私は良くも悪くも我慢なんてしないから、ゆっくり相談なんてするかな?」
「待って、待って、待って、美華ちゃん」
里穂にしては早口で言い、口元をペーパーナプキンで拭うと
「我慢なんてしないって言っても、今回は一気にヒートアップしないで」
と前のめりで私を見つめる。
「婚約の事実があるから、絶対に美華ちゃんの気分で別れたってことにしちゃいけないんだよ?手順を踏んで、ね?分かる?」
「そうだね」
「何もまだ決まってはいないけど、美華ちゃん一人の白黒で済まない可能性があるんだよ?分かる?」
「そうだね」
「ちゃんと相談してよね?」
「ありがとう、里穂」
そうは言ったけれど、手順を踏んで別れるなんて時に里穂が私の相談に乗っているのはまずいと思う。今のところだけれど、里穂はこの学園の中学で教えることになるだろうから、学園を敵にするのは良くない。
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