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兄と二人でガスパチョ、オムレツ、コーヒーと兄は1枚、私は半分のトーストの朝食を食べていると、ちょっとした物音で両親が起きているのだと気配を感じる。
「姫美華の車、車検受けるか?買い替えるのか?」
「Hoshino的には、どっちがいいの?全然違う車種とカラーにしようか?」
車に関して私がお金を出すことはない。家族4人が違う車種に乗って宣伝しているようなものだから。
「乗りたい車種あるか?」
「今のが気に入っているけど、次はフランス車にしてもいいよ?」
「コンパクトでありだな」
ゆっくり話をする私と兄の元へ、いつになく足音を立てて両親が現れた。
「おはよう、二人とも食べる?朝食、作っ…」
「ああ、姫美華…食事は後でもらうが、これに心当たりはあるかい?」
「今、新聞を取りに行ったらね…姫美華…」
「真くん?…この女の人、誰?」
私の言葉に父が言葉を重ね、母は私を心配そうに見つめ、兄が父の手から写真を抜き取った。
それは真と井上さんがキスしている写真で、他の3枚と連写のように見ればソファーに倒れて行くようだ。他にも二人一緒に車へ乗る写真がある。
「こんなの…車は学園の駐車場だけど…このソファーは副理事長室のソファーだよ?誰が撮るの?」
「姫美華、そこじゃなくて…まずこの女性は知ってる方?」
母が私の肩にそっと手を置いて私に聞いた。
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