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陰謀
三咲が学園復帰挨拶をした日、同級生6人が集まって食事会をした。急に決まれば行く場所も決まっている。
そこで俺の婚約を知らなかったと言った三咲に、皆が美華の武勇伝を口々に話す。それは好意的なものだったけれど、三咲には伝わらなかったようで
「わがまま、自己中お嬢さんってこと?」
と首を傾げていた。正義感の強い、凛とした美華を目撃しないと彼女の良さは伝わらないのだろう。
明日も仕事があるので遅くならないうちに解散するのだが、三咲は首まで真っ赤にして少し酔っている。電車で帰る友人たちが駅へ向かったあと、タクシーを2台呼んで夜風に当たりながら三咲とタクシーを待っていると
「真…」
いきなり僕の首に腕を巻き付けた三咲がキスをする。
「ダメだよ、三咲…酔っぱらいでもダメだ」
「酔ってないわ…会いたかった」
彼女がもう一度キスをし、僕が腕を上げた彼女のウエスト辺りを押す…この写真と、学園の僕の部屋でのキス、一度学園から彼女を送った一緒に車に乗る写真…この3枚の写真が学園理事長である僕の父に送られてきた。
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