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呼び出された理事長室で見せられた3枚の写真。そして父は
「誰を責めることも出来ない、言い訳さえ出来ない写真だが、一応聞こうか?」
大きなデスクの向こうから僕を真っ直ぐに見た。
「…事実です」
「姫美華さんとも会っているだろう?」
「はい」
「あんなに気持ちのいいお嬢さんを裏切るとは…最悪の事実とそれを証明するものがこうしてある…井上さんをここへ呼びなさい」
僕は言われた通り、父のデスクの電話から中学の職員室へコールして三咲を呼び出した。そして三咲が部屋へ来るまでの間に
「私が井上さんと話をする間は口をはさまないように」
と父は僕に念押しする。間もなく、三咲がやって来ると
「井上さん、転任早々この写真はどういうことか井上さんの説明を聞かせて下さい」
3枚の写真を彼女に向けて並べた。
「…誰がこんな…真の部屋にカメラがあるの?」
「井上さん、もう一度言います‘誰が’ではなく、この写真の説明をお願いします」
「…説明はどうすれば…事実です。私の好意からの行動だと思って頂いてかまいません」
「真の婚約はご存知ですか?」
「はい。でも…お相手は他の方とも親しくされているようで婚約者さんにふさわしいかは疑問に思っています」
「他の方?誰でしょうね?」
「事務局長です」
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