陰謀

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父は写真のことなどを母や家族にも言わずにいることを僕に告げた。 その翌日、授業を終えた三咲が僕の副理事長室へ来たのだが入室は断り廊下で対応した。何とか戻って欲しいと思いジリジリと部屋の前から移動するのだが 「昨日、あれからどんな話をしたの?」 としつこい。昨日のことも、これからもプライベートなことを話すつもりはないと繰り返すうち、美華から電話があった。 卒論指導の休憩時間に電話をくれるなんて嬉しい。城田助教授が担当になるかもしれないと前もって伝えてくれるところもいい。彼女が一番楽しんで受けてた講義を担当していた助教授だ。美華が満足出来る卒論が仕上げられるといいな… 僕はそう思ったけど、三咲は 「やっぱり怪しいよね、あの二人」 と言う。 「ちゃんと連絡もくれているし、何よりその見方はどうかと思うよ?三咲は生徒指導で生徒と二人になる先生をそんな目で見るの?僕は美華を信じているよ…僕が言えたことではないけれど」 三咲にどう伝わったのか定かではないけれど、彼女はやっと戻って行った。そして部屋へ戻った僕はすぐに父に呼び出された。また?昨日の今日で何だろうか?家で話すよりここで、ということか…
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