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「じゃあ、始まりは私には分からないけれどネオが言う‘今が終わりの状態だとして’その終わりに導くために、真の部屋にカメラをつけたの?」
「それが俺?」
「バレないと思っているの?」
「誰にも疑われていないけど?」
「私はそこに確信を持ったから、今日ここに来たの」
「相変わらずカッコいいね、姫美華」
「ネオにカッコいいなんて言われた人間は嫌みにしか受け取れないわ」
モデル以上の美男子が何を言うのか。ネオは真のひとつ上だから私より5歳年上の27歳。日本人とスウェーデン人、特徴の話なら北方ゲルマン人というべきかしら…双方をミックスさせた綺麗な顔は年齢より年上に見える時と少年のように見える時がある。
「疑われていない方がおかしいわよ。井上さんが疑われてるのかしら?無理に決まってるのに…真の部屋に勝手に入れる人物でないとカメラは設置出来ないわ」
「そうだよね」
「目的は?さっきのヨリを戻す目的ならカメラまで必要ないでしょ?」
「聞きたい?」
「ええ」
「聞かせるのは予定より少し早いけど」
「私が優秀だってことね」
「その通り」
「ついでに始まりも教えてくれるとスッキリするんだけど?」
「部屋にカメラをつける前に、真と井上のキスシーンは撮ってるんだよ。ちょっと生々しい写り方だから星乃さんへ見せるのはやめたけれど…見る?」
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