化けの皮

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真も井上さんも二人の行為は事実だから救いようがないけれど、それを全て自己の目的のために利用したのはネオだ。 彼の唇から逃れようと抵抗する私の両手は頭上にまとめ上げられ、ブラウスのボタンが外される感覚に一瞬意識が移った瞬間、肉厚な舌が口内に滑り込む。 「…ぅ…ぅ…ん…」 いっそのこと舌を噛みちぎってやろうとするが、彼の舌は私の唇の内側をなぞり噛ませてくれない。舌に気を取られるうちにブラウスのボタンは外され、彼の唇は胸元に移動する。 「最低っ…ネオ…やめてっ…」 自由になった手でネオの柔らかい髪をガシッと掴んで、頭皮ごと剥がれる勢いで引っ張ろうとする手は、彼が抜き取ったネクタイで縛られた。 「っ…こんなことっ…許されると思ってる…のっ?」 勢いよく言ったものの、彼の瞳の色が色濃く私の知らない色になっていることに息を飲む。ネオはそれを読み取ったのか、僅かに微笑みを浮かべるとシルクのキャミソールとレースのブラを一気に引き上げた。 「ぃやっ…やめっ…」 「想像していたより…ずっと美しいね、姫美華」 そう言い胸に吸い付き、片方の手で揉み始めたネオの頭を、縛られた手を振り下ろして叩こうとするが震えて力が入らない…助けて… ドンドンドンドンッ…ドンドンッ…
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