ビッグネーム悪女

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ビッグネーム悪女

「ごめんね、里穂…学園の名前にまでは考えが及んでいなかったわ」 あれから2ヶ月。 前期が終了して夏休み真っ只中の里穂と、私の部屋でレモン大福と紅茶を飲む。 「いいよ、いいよ。大丈夫。私は教員免許を取れたらいいんだし。それより美華ちゃんだよ…この3ヶ月、吐きそうなジェットコースターに乗った気分だよね…?…はぁ…」 国語教師の使う比喩が‘吐きそうなジェットコースター’なので笑ってしまう。 あの日、私は大袈裟に1日入院をした。そして病室で両親と兄を前に、城田先生と二人で経緯を説明した。 私は城田先生に、写真や婚約破棄の現状を伝えて、ネオが真の部屋にカメラを設置したことは確信があるから他の写真もネオだと思うこと。目的はわからないからはっきりさせに行くが、わからないから不安もあり先生に先に伝えに来たこと。なぜ城田先生かというと、真と井上さんの親密さを知っている人だからということ。これらを伝えた。 先生は私に電話を繋げたまま入室するように言い、私は言われた通り先生と通話にしたスマホをバッグの一番上に置いて足元に置いていた。 だけど、ネオが私にキスした時点で私がバタバタしたのでバッグが倒れ、スマホは床を滑って私から離れてしまっていたようだ。 異変を察知した先生だが自分が乗り込んでも言いくるめられる可能性がある。それならキスを無理強いしただけでも、現場を捕らえて法に訴える方が確実にネオを罰せると判断して警察を呼んだ。
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