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「お前はもう心身ともに十分すぎるほどに疲れ切っている。このうえ(べっ)(ぱん)に異動すれば、今以上に過酷な任務に身を投じなければならなくなるんだ。そんなことになればお前の心身が壊れないとも限らない。内勤のような落ち着いた環境で過ごした方がいい」  課長らしからぬ物言いだった。逆にそれが(べっ)(ぱん)の任務の過酷さを良く表しているようにも思える。 「少し考えさせていただけますか?」  そう答えると、課長は二度、三度と首を縦に振った。 「ああ。今この場で決めなければならないわけじゃない。あと一週間くらいは自宅待機を命じる。その間に考えておいてくれ」  何かを切に願うような言い方だった。 「分かりました。ありがとうございました」  そう返事をし、(きびす)を返した。 
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