さいごにもう一回

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「ねえ、助けてよ」  その言葉を聞くとつい足が動いてしまう。どうせこの音、何もないのに。ちゃんと声からどの程度の緊急性かわかるのに、どうして俺の足はいつも同じ速度で向かってしまうのだろう。  たどり着いて、渡された瓶のふたを開けて返す。今回もこれだけみたいだ。 「ありがと」 「また騙されたな」  そう返して戻る。いつも通り、これが俺と彼女の日常だ。
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