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想像が創造した世界
シークレット 窓
小説家が結末を書き換えたのは、現実の方だった。
某ディップが一人の中の二人を演じたその映画の記憶はまだ幼き頃のまま…
大人向けの映画を観ても頭の中には霧が立ち込めるだけであった、あの頃出会った作品で、記憶に残るのは〝恐怖〟を感じる作品のみといったところである。
何を読んでも観ても正しい解釈等出来なかったあの頃の作品に大人になり再会すると、作品に立ち込めていた霧も晴れて、恐怖も薄れていくものである。
幼き頃に得た恐怖心に再び纏わりつかれたならば、記憶を更新するに限る。
そう期待に胸を膨らませて、再びそのDVDを手にしたのは数時間前。
しかし、今し方この映画を観終えた私に掛かる得体の知れないモヤとサムケは収まったか…否。
シークレット窓を観終えた私の背筋はゾワゾワとしている。
「シークレット! 窓の隙間から入って来たのか!
どいつもこいつもペラペラしやがって!」
見なくても分かる。
今、背後にはヤツらがいる。
いや…人とカウントして良いのかさえ分からない。
そんな妙なヤツらに付き纏われるようになったのは、今から数時間前のことであろう。
ー次のページから回想へー
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