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「本気だ」
真剣なその声にさらに緊張が増す。
「……しなくていいです……私が……信じていればいいんですよね?」
「守ってやるよ」
優しく撫でられる。
その腕にはめられた時計。
「何があっても、信じてろ」
「はい」
真剣なその声。空也をみつめて返事をした。
着替えを昨日のフィッティングルームの時のように空也が手伝ってくれた。
ソファーに座っているように言われて待っていると、スーツ姿の空也が現れる。
「スーツ……似合いますね……」
いつもとは違うきちんとした服装。
普段はジーパンとTシャツの空也。無精髭だって生えてることもある空也が……スーツ……。
「惚れ直すか?」
ニヤッと笑う顔はいつもと同じだけど……。
「素敵ですね」
昨日のデートからずっとドキドキしっぱなしで、フワフワと気持ちが浮いている。
こんな素敵な姿を見せられるとなんだか……。
「空也じゃ無いみたいですね」
近づいてジャケットの肩に腕を回す。
「……だから、キスしてください」
甘えて、確かめたくなる。
頬をすり寄せて、目を閉じて。
いつものように甘いキスに空也であることを確かめて。
微笑んで目を開けた。
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