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もう一度ため息を着いた。
「俺はあまり家族と関わりを持ちたいと思っていない」
驚いた顔をする。
この際だから話しておいてもいいだろう。
「仲が悪いわけじゃないが、親しみを持っているわけでもない。初音も分かっていると思うが、俺の家は普通の家とは違う。経済的なこともあるが、社会的地位も高い。取り巻く環境も違う」
一度言葉を切って、初音の横の椅子に座り直す。近づけて不安に揺れる瞳を見つめて頭を撫でた。
「そんな環境で育ったせいか、相手を利用することや損得ばかりを考える生活をしてきた。まぁ……少々歪んだ性格をしている」
「空也はそんなことないですよ」
微笑むように笑う。
「時と場合によるな……相手にもよると思うが」
素直な人間ではないことだけは確かだろう。
海ほどではないが、手に入れるために汚い手を使うこともある。
考えることもある。
だからこそ……初音を手に入れられた。
「たとえ家族でも心を許せ合えない。そういう家族だ。俺は家を出ているし、社会的にも関わりを切っている。だが、向こうから仕掛けてくることはある」
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